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用語の整理と基礎知識 デュアルモニターを構成するには、ある程度「PC自作」の知識があったほうが便利です。「えっ、じゃぁウチのはメーカー製だからダメか」と思った方、それは違います。 一般に売られているWindows PCは、PC/AT互換機と呼ばれます。これは、「PC/ATの規格に従って作られたPC」ということを意味します。視点を変えると、「PC/ATの規格に従って設計されたパーツを使って構成したPC」ということでもあります。 メーカー製でも、自作でも、Windows PCがPC/AT互換機であることに変わりはありません。基本的な構造はまったく同じです。極端にいえば、PCメーカーがパーツを集めて工場で自作して売っているのが、メーカー製のPCなのです。 デスクトップPCの場合、デュアルモニターにする際はビデオボードの増設あるいは交換が必要です。そうなると、もうそれは純正のメーカー製PCではなくなるわけです。万一トラブルが起きても自分で対処しなければいけません。そういう意味で、自作の知識があった方が便利なのです。 1. ビデオボードという重要な存在 PCを購入しようとするとき、「CPUが〜MHzだ」とか「HDDが〜GBだ」とかいうことを気にする人は多いようです。しかし、「ビデオボードが〜だ」というのは、自作派でない人からは余り聞きません。ですが、ビデオボードというのは、PCの性能を大きく左右するものなのです。 ビデオボードは、モニターとPC本体の間に立って、表示すべき画面をせっせと作りつづけている部品です。極端に言えば、本体はビデオボードに「これを映して」とお願いするだけ、モニターはビデオボードが作った画面をただ映しているだけなのです。インターネットのホームページを開いたり、ワープロを使ったり、エクスプローラでフォルダを開いたりするたびに、ビデオボードはせっせせっせと画面を描き、モニターに送り出しています。 「えっ?でもウチのPCだと、モニターは本体に直接つながってるよ。だいたい、間に何かが入ってるPCなんて、見たことないよ」とおっしゃる方、実はあなたの目に見えている「本体」とは、単なる「ケース」でしかありません。本当の本体は、その中に入っている1枚の大きなボードなのです。これをマザーボードといい、その上にはCPUやメモリが載っています。ケースを開けてみるとわかりますが、モニターはマザーボードに直接接続されてはいません。マザーボードに直角に挿さっている小さなボードに、接続されています。この小さなボードが、ビデオボードです。 ただし、一見マザーボードに直接接続されているように見える場合もあります。それは、コストダウンやスペースの節約のために、マザーボードとビデオボードをつなげて1枚のボードにしてしまったものです。この場合も、外見上1枚に見えるだけで、本体とビデオボードの機能分担はそのまま行われています。(このようなマザーボードを、「VGA内蔵マザーボード」とか「グラフィック統合型マザーボード」と呼びます。) ビデオボードにはいろいろと別名があります。
雑誌や本、店頭では上記のような言葉に出くわしますが、すべて同じ意味だと思って問題ありません。 2. PCIとAGP 上で「ビデオボードはマザーボードに直角に挿さっている」と書きました。マザーボードのどこに挿さっているかというと、次の2種類のスロットのいずれかです。
AGPスロットはビデオボード専用のスロットで、マザーボード上に1本しかありません(通常、茶色です)。比較的新しい規格なので、2年以上前の古めのマザーボードには存在しません。また、新しいマザーボードでも、VGA内蔵マザーボードの場合はAGPスロットを持たないものもあります。 PCIスロットは、ビデオボードの他、サウンドボードやモデム、SCSIボードなど、いろいろなボードが挿せる汎用のスロットです(こうした、マザーボード上に挿すボードのことを、まとめて「拡張カード」といいます)。PCIスロットはマザーボード上に複数本あります(通常、白色です)。本数は様々です。 この2種類のスロットは、形が違います。ですから、AGP用のビデオボードはPCIスロットには挿さりませんし、PCI用のビデオボードはAGPスロットには挿さりません。ビデオボードの購入時には、注意が必要です。 データの通り道を「バス」と言い、AGPスロットはマザーボード上のAGPバスに、PCIスロットはマザーボード上のPCIバスにつながっています。AGPバスでは、PCIバスよりもデータの通り道の幅が広くなっており、結果としてPCIバスよりも高速なデータ転送が可能です。が、現在のところこの速度差は保険みたいなものです。通常の使用時にAGPとPCIの速度差を体感できることはまずありません。ワープロとメール、インターネットのブラウジングをするだけなら、まったく差はないといってもいいでしょう。 3. モニターを2台接続するということは… モニターを2台接続するということは、仲介役のビデオボードも2枚必要ということになります。1本しかないAGPスロットは、すでに1枚めのビデオボードが占有しているはずですので、2台目のモニター用にはPCI用のビデオボードを使うことになります。 1枚で2つのモニターが接続できるビデオボードもあります。PCIスロットに空きがない場合(すべてのPCIスロットに拡張カードが挿さっている場合)は、現在のビデオボードをこのようなビデオボードに交換します。 4. ノートPCの制限 ノートPCもWindowsが動くのですから PC/AT 互換機です。PCとしての規格はデスクトップと同じで、いろいろなワザを使ってサイズだけを小さくしてあると思えばいいでしょう。ですから、ノートPCにも、デスクトップPCと同様にマザーボードがあり、PCIバスやAGPバスがあります。しかし、PCIスロットやAGPスロットは存在しません。スペース節約のため、ビデオボードの機能はAGPバスに直付けされているのです。つまり、ノートPCの場合はビデオボードの変更や追加はできません。購入したままの状態で、使い続けるしかないのです。デスクトップPCでも、最近流行りのノートPC並にコンパクトなものは、やはり同じことがいえます。 5. ドライバ ビデオボードに限らず、拡張カードをWindowsで使うには、「ドライバ」というソフトウェアが必要です。自動車の運転手をドライバといいますが、それと同じです。自動車は、運転手がいなければ動きません。拡張カードも、ドライバがなければ動きません。Windowsは、無免許のお偉いさんのようなもので、後部座席に座ってドライバに行き先を指図することはできますが、自分で自動車(すなわち拡張カード)を運転することはできないのです。 このドライバの出来が良かったり悪かったりで、拡張カードの性能に差が出ます。同じカードなのに、ドライバが新しくなると性能があがったりするのです。ドライバの出来が悪ければ、最悪Windowsが不調になります。運転が荒くて後部座席で酔ってしまうようなものです。場合によっては事故、すなわちシステムクラッシュを起こし、二度と起動できなくなることもあり得ます。 ビデオボードも、ドライバによって「1台めということなら動作するが2台目としては動作できない」というものがあります。すべてのPCIビデオボードが、2台目のボードとして動作できるわけではありませんので、注意が必要です。 6. 相性 PC/AT互換機用のパーツは星の数ほど売られており、どのパーツメーカーも、そのすべての組み合わせをテストすることは不可能です。また、技術の開発に規格が追いついていないという現状もあり、「このマザーボードだとこのビデオボードは動かない」というようないわゆる「相性」の問題も存在します。最悪の場合、システムクラッシュにつながります。また、同じ製品でも製造の次期によって品質や設計が微妙に異なることがありますし、上記で書いたようにドライバが異なればまた状況が変わってきます。このサイトでも「動いた例」として具体的な製品名を挙げていますが、その組み合わせがどの環境でも確実に動くという保証はできませんし、安全であるという保証もできません。 というわけで、仕事に使っているPCに手を入れる場合は、「万一起動できなくなっても大丈夫」という体制を整えてからにしたほうがいいです。(PCというのは元来不安定なものです。手を入れる入れないに関わらず、仕事で使うなら予備のPCは必須だと思います。実際、私はメーカー製にしろ自作にしろPCが安定して動き続けるということを信じていません。いつ不調になってもよいように、ノートPCの中身とデスクトップPCの中身は常に同期させています。) 「相性なんてものがあるのを消費者に売りつけるとは何事だ」というのもひとつの正論ですし、私もかつてそう思っていました(いろいろ泣きましたし)。が、それでは現実的にPCパーツの市場は形成できないのだ、というように最近は思っています。 PC/AT互換機という規格がオープンな規格であるからこそ、いろいろなパーツを選ぶ自由がユーザにはあります。そして、自由とリスクが一体であるということは、ごく当たり前のことです。(会社をやめてフリーランスになると、ほんと、実感します(^^;)。)大事なのは、事前によく情報を収集することと、もしダメでも誰も恨まないことです。何事も勉強のつもりでやればいいのです。いや、そう思わないとやってられません(^^;)。
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